ORFを終えて 「ネガティブな要素」とは

11月22日、23日に六本木ヒルズにおいて開催されたORF(Open Research Forum)が終了しました。研究室の展示を2コマ、パネルディスカッションを1つ実施しました。来場してくださった皆様、本当に有り難うございます。

今回の展示では、「机上から実践へ」を主題に、「実社会で通用する」、「実社会を変革する因子を持つ」情報技術の提示を社会に出していくと言う姿勢を見せる事に主眼をおきました。情報技術を単に活用するだけではもう社会に通用しなくなっている。それをきちんと考えていかなければ、日本という社会そのものが停滞し、国際競争力を失っていくのではないか。そのような、私自身のある種の焦りが、この主題を提示する事に結びつきました。

パネルディスカッションでは、國領二郎さんと、宮台真司さん、私の3名でのパネルディスカッション。例によって(?)、チャットと実議論という2つを並列して実施するという手法で、途中いくつかトラブルがあったと思いますが、まあ、おもしろい議論になったのではないかと思います。皆さんからのコメントをお待ちしております。議論の中で、宮台真司さんの指摘の中で、様々な行為におけるネガティブな因子に関する言及がありました。琉球硝子の職人の話でいえば、熱く辛い加工工程を指すのでしょうし、きつい修業時代を指すのかもしれません。このようなネガティブな要素があるからこそ、おもしろいモノが作れるというのは一つの事実だと思います。問題は、その先に、喜びが見いだせるかというところで、モノ創りの良いところは、素晴らしいものが出来上がったときの喜びであり、あるいはそれを使う方々の喜びを自分自身が感じるところだと思います。それに対して、IT分野はその喜びを見いだせる可能性が非常に少ない。だから、ネガティブな要素を考えなくても進める、安易な機能の組み合わせに基づくシステム構築が蔓延しているのかもしれません。パネルが終わってから、ぼんやりと、そんな事を感じました。
逆に言えば、そこに喜びを見いだしている人は、やはり、おもしろいシステムを構築している。それは事実なのかもしれない。私自身の知人を考えてみると、やはり、楽しそうに、自分が構築したシステムの話をする。ただ、自分自身の満足、喜びで終わってしまっている場合が多い事は気になりますけどね。
このあたりをもう少し考え、具体的な展開へと結びつけたいですね。私はやはり実践をしなければ意味がない存在ですし、そうでないと、私自身が満足しないですから。